ケーキの材料一覧

ケーキのもとになる材料には、それぞれにケーキ作りにとって重要な役割があります。
材料のことをよく知ることは、失敗しないケーキ作りの第一歩。

 

 

 

 

アイシング

アイシングとは粉砂糖と卵白、レモン汁を練り混ぜて作る砂糖衣。
お菓子の表面にかけたり、しぼり出して模様を描いたりするなど、デコレーションに使う。

 

 

カスタードクリーム

カスタードクリームとは卵黄と砂糖を泡立てて薄力粉をまぜ、バニラ風味をつけてあたためた牛乳を加えて火にかけ、とろりとするまで練りまぜたクリーム。
シュークリームやタルトなど、用途が広い。

 

 

ガナッシュクリーム

ガナッシュクリームとはあたためた生クリームに、刻んだチョコレートを加えてとかして作るクリーム。
ホイップクリームと同様に使われる。

 

 

カラメルソース

カラメルソースとは砂糖と水を煮詰めて作る褐色のソース。カスタードプリンに欠かせない。

 

 

生地

生地とは材料をまぜあわせたもののこと。
冷やし固めたり、焼いたりする前の状態をさす場合と、焼き上げたものをさす場合とがある。

 

 

牛乳

牛乳はババロアやムース、カスタードクリームでは主材料に。
ケーキやクッキー作りでは、生地に水分を補ったり、風味をつけるために加えます。
低脂肪の牛乳もありますが、お菓子作りには、特に指定がない限り、乳脂肪分の高い牛乳を使います。

 

牛乳をあたためるときは、沸騰させると表面に膜がはるので注意。なべを火にかけたら目を離さないように。

 

 

ケーキクラム

ケーキクラムとはスポンジケーキをそぼろ状にしたもので、ケーキの飾りなどに使われる。
■スポンジケーキを用意し(市販のものでもよい)、手でできるだけこまかくほぐす。
■オーブントースターの天板に広げ、2~3分加熱して、焦がさずに乾燥させる。
■ほどよく乾燥したらこし器に移し、めん棒ですりまぜながら粉状にする。

 

 

チーズ

ケーキに使うチーズは、主にクリームチーズとカテージチーズ。どちらも、においやくせがなく、塩分も少ないチーズです。

 

クリームチーズは生クリームと牛乳が原料。白くて、やわらかく、マイルドな酸味とコクがあります。
カテージチーズは脱脂乳から作られ、低脂肪でポロポロしていますが、製菓用に裏ごししたものもあります。
クリームチーズは室温にもどし、やわらく練ってから使う。電子レンジに20秒前後かけてもよい。

 

 

チョコレート

ケーキ作りにはまぜものが少なく、カカオの含有率が高い製菓用チョコレートを使います。
製菓用チョコレートには、ビター、スイート、ミルク、ホワイトがあり、それぞれ味も成分も違います。

 

ケーキ全体にかけるときは、のびのよいコーティング用チョコレートと呼ばれるものを使います。
ココアは、カカオ豆からチョコレートの原料になるカカオバターを除いたあとの残りを粉末にしたもの。

 

 

削りチョコレート

削りチョコレートとはチョコレートのかたまりを、ナイフやスプーンなどを使って薄く削ったもの。
くるりとカールするため、よくデコレーションに使われる。
削る直前に手のひらをあててあたためると、チョコレートがやわらかくなって削りやすくなる。

 

 

コーンスターチ

コーンスターチはとうもろこしからとれたでんぷん質を粉状にしたもので、とろみをつけるなど、片栗粉に似た働きをします。
カスタードクリームやスポンジ、ベイクドチーズケーキなどにも使われます。

 

 

小麦粉

小麦粉は粘りのもととなるグルテンの含有量が多い順に、強力粉、中力粉、薄力粉にわけられます。
■強力粉は弾力性や粘りが必要なパンやパイに使うほか、粒子があらくてサラサラしているので、打ち粉に最適。
■中力粉はうどん作りに使います。
■薄力粉は小麦粉の中でいちばんグルテンが少ないために、練っても生地が粘らないので、軽く仕上げたいクッキーやケーキに向きます。
打ち粉をするときに強力粉がない場合は薄力粉を使います。いずれも、お菓子に使うときは、かたまりを除き、空気を含ませるために、ふるってから使います。

 

 

砂糖

砂糖は甘みをつけるほか、卵の泡立ちを安定させる、乾燥を防ぐ、焼き色や甘い香りをつけるなどの働きをします。
■上白糖はコクのある甘みで、吸湿性が高いので、お菓子をしっとりしあげます。
■グラニュー糖は精製度が高く上品な甘みで、透明感が必要なゼリーのほか、さまざまなお菓子に。
■粉砂糖はグラニュー糖を粉末にしてコーンスターチを加えたもので、主に飾り用に。
■三温糖、ブラウンシュガー、黒砂糖は独特の風味とコクがあり、素朴なお菓子に合います。

 

 

サワークリーム

サワークリームは、脂肪分の高い生クリームを乳酸菌を加えて発酵させたものです。
酸味があるのが特徴で、クリームチーズを使うお菓子に加えてコクや酸味を補うのによく使われます。

 

 

重曹

重曹は焼き菓子をふくらませるために生地に加える膨張剤。
白い粉状で、正式名は炭酸水素ナトリウム。

 

 

ショートニング

ショートニングとは白色で無味無臭の、固形の油脂。
焼き菓子の生地のきめをこまかくするほか、サクッとさせる性質があり、軽く焼き上げたいときに使う。

 

 

シロップ

シロップは水に砂糖を煮とかしたもの。
作り方
なべに水とグラニュー糖を入れ、火にかける。
沸騰したら火を止める。
冷めたら、お酒のキルシュなどを加えたりします。

 

使う目的により、砂糖と水の割合や、煮詰め方を変えます。

 

 

スパイス

スパイスはお菓子に風味をつけるのに使います。
代表的なスパイスとしてナツメグとシナモンがあります。

 

ナツメグは赤みがかった淡い褐色で、甘い香りが漂い、生地に加えて風味をつけます。
シナモンは粉末とスティック状があり、上品な甘みとわずかな辛味が特徴。生地に加えたり、仕上げにふって風味をつけます。

 

 

ゼラチン

ゼラチンの特徴は、動物の骨や皮の「にかわ質」から作ったたんぱく質で、粉ゼラチンと板ゼラチンがあります。
板ゼラチンはなめらかにとけ、固める力が強いうえに透明度が高い仕上がりになりますが、6~8倍の水にひたしてもどす必要があります。
粉ゼラチンは水に振り入れて5分ほどふやかし、湯せんにかけたり、電子レンジでとかして手軽に使えます。高温で時間をかけると、固まる力が弱くなってしまいます。

 

■粉ゼラチンは水に入れてふやかす。逆に水を注ぐと、部分的に水を吸って平均にふやけない。
■板ゼラチンは6~8倍の水に1枚ずつ入れてもどす。数分でやわらかくなるので、取り出して水けをしぼる。

 

 

卵の働きとして卵黄はお菓子にきれいな黄色やつやをつけ、泡立てた卵白は空気を含んでケーキをふくらませる働きをします。
ほかにも、熱で固まる性質を利用してプリン記事を固める、風味を加えるなど、卵はケーキ作りに欠かせません。

 

卵白だけを泡立てるときは、温度が低いほうが泡立ちよいので、直前まで冷蔵庫で冷やしておきます。
逆に、全卵を泡立てるときは35~40度がいちばん望ましく、湯せんにかけるのはそのためです。

 

 

タルト

タルトとは練りパイ生地などをパイ型に敷いて、フルーツやクリームなどのフィリングを詰めたお菓子。
フィリングを詰めてから焼く場合と、から焼きしてフィリングを詰める場合とがある。タルトレットはタルトの小さいもの。

 

 

ナッツ類

ナッツ類は、手作りのお菓子に、独特の風味や香ばしさをプラスする副材料。
特によく使われるアーモンドは、いろいろな形状のものが市販されています。
ほかにカシューナッツやピーナッツもよく使われますが、いずれも、味付けしていない製菓用のものを使います。
オーブントースターで乾燥焼きしたり、薄皮をむいたり、レシピに沿った下準備をしておきます。

 

 

生クリーム

生クリームは牛乳から脂肪分だけを分離させたもの。
乳脂肪40%以上のものは、泡立てると空気を含んでクリーム状になりますが、脂肪分の低いコーヒー用のクリームなどは泡立てられません。
牛乳から作られた純乳脂肪のもの以外に、植物性脂肪を加えたものもありますが、クリームそのものを味わうときは、純乳脂肪のものを使うのがおすすめ。
生クリームは温度が低いほうが泡立ちやすいので、ボウルの底を氷水にあてて泡立てる。泡立てすぎにも注意。

 

 

バタークリーム

バタークリームはバターを十分に泡立てて、そこに卵白や卵黄などを泡立てたものを加えて作るクリーム。
上質なバターを使って作ると、コクがある。日もちがして、しぼり出しても型くずれしにくいなど扱いが楽。初心者でもデコレーションがきれいにできる。

 

 

バター

バターの種類と注意には、塩分を約2%含む有塩バターと製造時に食塩を添加しない無塩バターがありますが、ケーキ作りには無塩バターを使うのが一般的。
お菓子によって、冷やしておく、室温にもどす、とかすなど、準備が違うので注意しましょう。
保存は空気や日光にふれないようにぴったり包み、冷蔵庫で保存します。
長期保存するときは、冷凍保存します。

 

パイ生地をつくるときには、作業の直前まで冷蔵庫で冷やしておく。こまかく刻んでから冷やすとよい。

 

 

バニラ

バニラ(香料)について。香りづけによく使われる香料がバニラ。
甘い香りで牛乳や卵のくせなどをカバーします。天然のバニラビーンズと、香りを抽出したエッセンスやオイルがあります。
バニラビーンズが使えればベストですが、手に入らなければ、エッセンスとオイルを使います。

 

エッセンスは焼くと香りがとびがちなので、主にクリームや冷菓に使い、焼き菓子には熱に強いオイルを使うとよいとされています。
バニラビーンズはさやを切り裂いて、さやごと牛乳やソースにひたして煮出すことで香りを移します。
エッセンスにはバニラ以外にもアーモンド、レモン、オレンジなどがあります。

 

 

ビスキュイ

ビスキュイとはシャルロットなどに使う軽いスポンジ生地のこと。
粉と卵と砂糖だけで作る生地をビスキュイ、とかしバターを加えてしっとりさせた生地をジェノワーズと呼んで区別する場合もある。

 

 

フィリング

フィリングとは詰め物、あるいは中身という意味。
パイやタルトの中に詰めるフルーツやクリーム、ジャムなどのことをさしていう。

 

 

フルーツ類

フルーツ類は生地に加えて食感を楽しんだり、トッピングにして表情をつける。
フルーツは、生のまま使用するほかに、冷凍品、缶詰、ドライフルーツ、ピュレ、砂糖漬け、ジャムなどの加工品があります。加工品は、季節を問わず手に入れることができるので便利です。

 

 

ベーキングパウダー

ベーキングパウダーとは重曹(炭酸水素ナトリウム)が主成分の膨張剤。
ケーキがふくらむのを助ける働きがあります。小麦粉とあらかじめ合わせてふるってから使います。
量が多いとにおいや苦味のもとになるので、控えめに(小麦後100gに小さじ2程度)使います。
長く空気にふれると湿気を帯びて効力が弱まるので、長くおくときは冷蔵庫で保存します。
ベーキングパウダーのほか、膨張剤として重曹そのものを使うこともあります。

 

 

ホイップクリーム

ホイップクリームは泡立てた生クリームのこと。
泡立てる時間によって、はじめはやわらかく、しだいにかたくなる。泡立てすぎると、油分と水分が分離してしまい、元には戻らなくなる。
ハンドミキサーを使うと泡立てすぎになりなすいので、泡立て器を使うほうがよい。

 

 

マジパン

マジパンとは砂糖とアーモンドの粉を練り合わせてペースト状にしたもの。
アーモンドの量によって細工用と焼き込み用がある。細工用はアーモンドと砂糖の割合が1対2で、ケーキのカバーにして全体をおおったり、飾り用の花や動物などを作ったりする。食紅などで好みの色に着色できるので、デコレーションの幅が広がる。

 

 

水あめ・はちみつ

砂糖のかわりに水あめやはちみつを生地に加えると、甘みや風味に変化がついておもしろい。
水アメはでんぷんから作られる甘味料で、軽い甘みが特徴。
はちみつをケーキに使うとしっとりやわらかく、風味よく仕上がる。

 

 

ミント

ミントはハーブの一種。ハッカの葉。
種類がたくさんあるが、ペパーミント、スペアミントなどが代表的なもの。あざやかな緑でさわやかな香りがし、デコレーションによく使われる。

 

 

メレンゲ

メレンゲとは卵白に砂糖を加えて、かたく泡立てたもの。
そのまましぼり出して焼いたり、生地にまぜ込んだり、お菓子の上にかけて焼いたりと、応用範囲が広い。用途によって砂糖の量は増減するが、ピンと角が立つまで十分に泡立て、ピカピカしたつやのある状態にするのは原則的に同じ。

 

 

洋酒

洋酒(香料)について。ケーキにさまざまな香りをつけるのが洋酒。
よく知られるラム酒は、さとうきびの糖蜜から造られる蒸留酒で、ほとんどの洋菓子に使えます。
キルシュやコアントローもさまざまなお菓子に使えますが、特にフルーツを使ったお菓子におすすめ。
コーヒーの風味のお菓子にはコーヒーの香りのするカルーアなど、相性を考えて使いこなせるようになるとお菓子作りがますます楽しくなります。

 

どれもアルコールの含有量が多めなので、子どもが口にするお菓子に使うときは、量に注意します。
常温で長期間おけますが、製菓用はミニチュアサイズの洋酒で十分です。

 

 

レモン汁

レモン汁はレモンをしぼった果汁のこと。
フルーツの変色止めなどにも使う。酸味を加えることでお菓子の味わいを広げる。