チョコレートの種類・使い方

チョコレートは、カカオの種子を発酵、焙煎、磨砕したカカオマスを主原料にカカオバター、砂糖、粉乳などを混ぜて練り固めて作られます。

 

チョコレートは大きく分けてビターチョコレート・ミルクチョコレート・ホワイトチョコレートになりますが、さらに成分や形状・作り方などで細かく分類することができます。
種類によって味や風味が大きく異なりますのでそれぞれの特徴を理解し、正しい使い方を知ることが美味しいケーキを作る上で大切です。

 

 

チョコレートの種類の分類

 

チョコレートの3大分類

ビターチョコレート


【成分】カカオマス、カカオバター、砂糖、レシチン、香料
【カカオ分】55~80%くらいのものが一般的
ダークチョコレートとも呼ぶ。カカオ分が高くなれば、糖分が少なくなり苦味が増します。

 

 

ミルクチョコレート


【成分】カカオマス、カカオバター、砂糖、レシチン、香料、粉乳
【カカオ分】31~38%くらいのものが一般的
乳成分が加わる分、カカオの含有量が低くなります。

 

 

ホワイトチョコレート


【成分】カカオバター、砂糖、レシチン、香料、粉乳
【カカオ分】カカオバターを30%前後含む製品が一般的。
カカオマスを含まないため、基本的にカカオ本来の風味はありません。

 

 

第4のカテゴリ:ルビーチョコレート


ルビーチョコレートは、従来のダーク、ミルク、ホワイトチョコに次ぐ第4のカテゴリのチョコレートとしてスイスのバリーカレボー社が開発しました。
ルビー色の成分をもつ特殊なカカオ豆を選定し、独自の技術で天然のルビー色を生み出しています。
ルビーチョコレートは、目に飛び込む鮮やかなピンク色が特徴。
着色料もフルーツのフレーバーも入っていないのにルビー色のチョコレートは、不思議な感じ。
カカオ本来の豊かな香りとほんのりとしたフルーティーな天然の酸味があります。

 

 

カカオ分・乳分の比率によるチョコレートの分類

 

ブラックチョコレート(ダークチョコレートまたはビターチョコレート)
砂糖や粉乳の配合量が少なく、甘味が少なく、苦味が強いチョコレート。
砂糖や粉乳をほとんど含まないものや全く含まないカカオ100%のものもあります。

 

セミスイートチョコレート
粉乳が若干量配合されたチョコレート。ミルクチョコレートほど乳成分を含んでいないもの。

 

ミルクチョコレート
粉乳が配合されたチョコレート。

 

ハイミルクチョコレート
粉乳と若干量の非脂肪カカオ分が配合されたチョコレート。

 

ホワイトチョコレート
粉乳が配合され、非脂肪カカオ分が含まれないチョコレート。カカオ分はココアバターのみ。
高温に熱し粘性を高めた「ブロンドチョコレート」と言われるものもあります。

 

ルビーチョコレート
「ルビーカカオ」と呼ばれるカカオ豆の成分を使用したチョコレート。
着色料未使用なのにカカオの赤色成分がそのまま表れます。

 

チョコレート飲料
チョコレート若しくはカカオ由来の粉末ココアなどを乳製品や水と混ぜて飲料用にしたもの。

 

 

 

カカオマスの種類によるチョコレートの分類

コーヒーと同様にチョコレートもカカオマスの種類・産地・焙煎により、苦味、酸味、コク、香りなどのバランスが異なります。

 

フォラステロ種 Forastero
南米原産の栽培種で産出量が多く安価。
病害虫にも強く成長も早いため、現在の主力品種となっています。
色は黄色で苦味が強いのが特徴。現在では主に西アフリカ・南アジアで栽培されている。日本ではガーナ産が多い。

 

アリバ種 Arriba
エクアドル原産。フォラステロの変異種でフォラステロ種の最高級種とされています。独特の渋みとジャスミンの花のような香りが特徴。

 

クリオロ種 Criollo
有史以前から存在するカカオ豆の原生種でマヤやアステカで使用されていたのもこの品種。
ただ病害虫に弱く19世紀後半に壊滅状態となってしまいました。現在では稀少種。
現存するほとんどの株はフォラステロとの交配部です。
色は赤や黄色で苦味が少ないのが特徴。ベネズエラ、メキシコなどが主な栽培地。

 

トリニタリオ種 Trinitario
カリブ海南部にあるトリニダード島原産でクリオロとフォラステロの交配種。栽培が容易で品質もよい。
ラテンアメリカでフレーバービーンズとして広く栽培されています。

 

 

一般に価格、風味などを考慮して複数の産地のカカオマスをブレンドして使われることが多い。

 

 

 

形状によるチョコレートの分類

 

ガナッシュ


チョコレートに生クリームを加えて作られるのがガナッシュ。生チョコレートとよく似ています。
生チョコレートは日本発祥のチョコレートでこれはガナッシュをやわらかい口当たりのまま食べられるように加工したもの。
ガナッシュはお菓子作りに使われる「材料の名前」、生チョコレートは「食べ物の名前」という認識が強い。

 

 

ジャンドゥーヤ


チョコレートに焙煎したヘーゼルナッツやアーモンドなどの粉やペーストに砂糖を加えて作ります。
イタリア発祥のチョコレートで発祥当時はカカオの輸入が困難だったのでヘーゼルナッツが混ぜられるようになったとされています。

 

 

 

 

ボンボンショコラ


ガナッシュやクリームなどをチョコレートでコーティングしたもの。ベルギーでは「プラリーヌ」とも呼ばれています。
コーティング用のチョコレートは固めのものやパリッと軽い音がする薄いものがあります。
高級食材から名前を取った「トリュフ」もボンボンショコラに含まれます。

 

 

板チョコレート


板チョコレートはご存知の通りしっかりとした食感があり、大きさも様々。
基本的にはクーベルチュールがベースになります。その他いろいろなフレーバーやナッツ、フルーツを入れたものもあります。

 

 

クーベルチュールチョコレートとは

「クーベルチュールチョコレート」とは、カカオバターの含有量が高い製菓用のチョコレートのこと。
油脂分が多いので溶かすと滑らかさがあり、テンパリング(温度調整)作業がしやすい。
カカオの風味が比較的強い。

 

国際規格(CODEX国際規格)では「総カカオ固形分35%以上、カカオバターを31%以上、無脂カカオ固形分2.5%以上、カカオバター以外の代用油脂は使用不可」となっています。
※日本ではこの規定はありません。

 

カカオバターのほか糖分、香料、種類によっては粉乳などが添加され、乳化剤の役割を果たすレシチン(大豆由来)が含まれています。

 

 

チョコレートと準チョコレートの違いとは

準チョコレートと通常のチョコレートは材料や味が異なります。それぞれの違いについて解説します。

 

それぞれに配合されている材料の割合
チョコレートと準チョコレートでは材料は同じでも割合が違います。
「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」に材料や成分の割合が定められています。
基本的な配合の割合は以下の通りです。

 

カカオ分 ココアバター 水分
チョコレート 35%以上 18%以上 3%以下
準チョコレート 15%以上 3%以上 3%以下

 

チョコレートはカカオ分が多く含まれているため、カカオの香ばしさやカカオバターのまろやかさを感じ取ることができます。
一方、準チョコレートはチョコレートに比べるとカカオ分が少ないため甘みが引き立ち、舌ざわりも軽い感じです。
一般にチョコレートの方が高価で準チョコレートは安い。
味もチョコレートの方が美味しいと感じる人が多い。

 

 

カカオ素材

チョコレートを構成するカカオマスやカカオバターなどカカオ素材もお菓子づくりにはよく使われます。

 

カカオバター


カカオ豆を砕いたカカオマスに圧力を加えて絞り出したカカオ豆の天然油脂分。
カカオの風味はなく、無味無臭に近い。

 

常温では固体ですが、28℃前後で溶け始め、30℃で完全に溶けてしまう性質があります。
チョコレートの口溶けはカカオバターの働きによるものです。

 

カカオバターを使えば、少量のチョコレートのテンパリングも簡単にできます。
ムースなどに加えれば、滑らかでクリーミーな仕上がりになります。

 

 

カカオマス


カカオ豆を発酵、乾燥、焙煎、粉砕し、ペースト状にして固形にしたもの。
砂糖を加えていないカカオ100%の状態。
色は黒に近い茶褐色で甘味は全くなく苦味が強烈。

 

チョコレートに苦みや風味を加えたいときに使います。

 

 

カカオニブ


焙煎したカカオ豆を粗く砕いたもの。
砂糖を一切加えないカカオ豆本来の風味が味わえる。
グリュエ・ド・カカオとも呼ばれています。

 

カリカリとした食感や程よい苦味でヌガティーヌやマカロン、ケーキなどのデコレーションやアクセント用に使われます。

 

 

ココアパウダー


カカオマスからカカオバターを絞った後、細かく砕いてパウダー状にしたもの。
別名、カカオパウダーとも呼びます。

 

チョコレートと同様の風味があり、味の調整に使えます。
カカオバター含有量は12~16%のもの、高めの22~26%のものがあります。

 

赤みを帯びたものや真っ黒色など色合いはさまざまです。
ケーキやクッキー、パンなど幅広く使われています。

 

 

チョコレート素材

コーティングチョコレートやトッピング用のチョコレートなどチョコレートを素にして作られる製菓材料を紹介します。

 

コーティングチョコレート


パータ・グラッセなどテンパリング不要なのがコーティングチョコレート。
カカオマスからカカオバターを抜き取り、カカオバター以外の植物性油脂と砂糖を加えたもの。

 

カカオバターを含まないのでテンパリングをする必要がありません。
流動性が高いので伸びがよく、コーティングに向いています。

 

 

フレーバーチョコレート


チョコレートにフレーバーの素となる素材や着色料、香料などを加えたもの。
また桜や林檎など産地によって適した燻煙材で温燻して作られることもあります。

 

着色や香料を加える場合、風味を出しやすいことからホワイトチョコレートをベースにしている場合が多い。

 

 

チョコチップ


クッキーやマフィンなどの焼き菓子やパンなど幅広く使えるチョコチップ。
ミニサイズの焼き菓子に適しているプチタイプのチョコチップや焼き崩れしにくいタイプのものもあります。

 

 

チョココポー


別名、カールズチョコレート。
チョコレートを削って作られ、木のけずりくずに似た形をしているためにおが屑を意味するコポーと名付けられています。ケーキなど洋菓子のデコレーションに使われることが多いです。

 

 

クーゲル・カップ


別名、トリュフボール。
中が空洞になっていてガナッシュなどを詰めるだけでボンボン・ショコラやトリュフをつくれます。

 

 

チョコレート色素
チョコレートに色をつける場合は、油溶性の色素をつかいます。
水溶性の色素ではチョコレートに混ざりきれずまだらになることも。

 

アイシングカラーと同じように他の色の色素を混ぜて別の色を作ることもできます。
パウダータイプと液状タイプがあります。混ぜる場合は液状タイプの方が簡単です。